公益社団法人京都保健衛生協会

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アルゼンチンアリ
アルゼンチンアリ女王
アルゼンチンアリ女王
アルゼンチンアリ働きアリ
アルゼンチンアリ働きアリ
特定外来生物
「特定外来生物による生態系にかかる被害の防止に関する法律」という法律があります。この法律の中で外国から侵入してきて,日本に定着した生物のうち,人の健康に影響を及ぼす生物,経済上の問題を起こす生物,生態系(自然)影響を及ぼす生物が「特定外来生物」に指定されています。アルゼンチンアリは,もともと日本で生息しているアリ類を滅ぼしてしまうことから,生態系に影響を及ぼす生物として特定外来生物に指定されています。こんな小さなアリがどのようにして日本の大きなアリをやっつけてしまうのでしょう。不思議です。
京都への侵入が確認されています。
アルゼンチンアリは,名前のとおり,もともと南米が原産ですが,人の交易に伴って,世界各地に広がりました。日本でも,1995年に広島県廿日市市で発見され,とうとう2009年に京都市伏見区中書島で発見されました。その後,徐々に生息域を広げています。
被害
刺すことはありません。また,噛むことはありますが,チックとする程度です。むしろ,群れをなして,住居内に侵入することです。食べ物にもよくたかります。一度侵入すると,特殊なにおい物質,いわゆるアリ道をつくるため途切れることなく侵入してきます。
対策
各地で定着が確認されていますが,ほとんどのところで駆除が成功していません。その理由の一つが,巣のなかに多数の女王がいて,大量に繁殖し,駆除するより先に増えてしまうことと多数の女王は,その繁殖力を武器に巣をどんどん増やし,あちこちに分散するため駆除しても駆除しても切がないためのようです。
ただ,殺虫剤は効きます。市販のアルゼンチンアリ用と明示されたベイト剤(毒餌)を勧めますが,完全に駆除するまでには至らないことが多いようです。できれば町内会で一斉に駆除すると多少効果は上ります。
広がってしまうと手が付けられなくなります。巣が小さなうちなら駆除も可能です。時々,家の周辺等を観察し,アルゼンチンアリが生息してないか観察しましょう。
特徴
働きアリは、2mmほどの小さなアリです。 歩く速度が早いのもアルゼンチンアリの特徴です。また,他の種類のアリは冬季には活発に活動しませんが,アルゼンチンアリは冬季でも活動をしています。京都市内での事例でも,12月の寒い時に活動していることを不審に思ったことが発見のきっかけでした。
腹柄腹柄
腹柄と呼ばれる器官は1節です。腹部末端
頭部触角
頭部触角
不審なアリを見つけたら封筒にでもいれてお送りください。調べます。